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REPORT
◆地域・家庭情報化研究会に寄せて
2000.4
 ITは産業革命と言われます。新しい千年紀に入り、IT産業が推進してきたデジタルは全産業のうねりとなりました。金融、サービス、流通、運輸、製造、すべての企業がデジタルを導入し、産業構造や企業行動を変えていきます。
 でもそれは革命のごく一部にすぎません。デジタルの力は産業だけでなく、生活文化といった社会全体に及ぶからです。たとえば暮らしは便利で快適になります。買い物、教育、医療、あるいは行政の手続もオンライン化されます。個人はさまざまなコミュニティに参加できるようになり、活動の場は地球規模に広がります。
 各地域は、内部を活性化するとともに、他のコミュニティともつながっていきます。交通は東京とつながる手段でしたが、ネットワークは東京を飛び越えて、世界とつながる手段です。どことどのようにつなぐか?その鑑識眼が地域の実力となります。
 チャンスは無限です。サイバー空間は無数に作られます。大陸を拓き、海洋を冒険し、宇宙に挑んできた人類にとって、ネットワークは残る唯一のフロンティアです。さらにデジタルは、ヒトの脳内を刺激します。太古からの文字表現に、映像コミュニケーションを組み込むのです。サイバー空間と映像文明の同時構築。産業革命というより、ルネサンスに匹敵する意識革命、あるいは人類史を前後期に分ける時代と言ってよいかもしれません。
 そこでいま重要なのは具体的ステップです。日本の進路とは何か。
 日本はPC型というよりテレビ・ケータイ型という見方が最近ようやく定着してきました。日本は携帯電話によってインターネットの普及率が近くアメリカを抜くとの予測もあり、さらにコンビニとの結合やロボットとの接合などによって、日本はとてつもないネット大国になる可能性も秘めています。光ファイバーによるギガ級ネットも先がける見込みで、いよいよ日本が世界の注目を集めています。
 ただそこには、製造能力や技術という提供側の力以上に、メディア利用の能力、たとえば子供が片手の親指でメールを打てる文化、といったものの力が強く作用しています。課金や決済手段、インタフェース、プライバシーやセキュリティなどの課題も、技術面に増して、社会風土に根ざした行動様式や心理を解くことが大切です。
 本研究会は、こうした日本型ネットワーク社会を開拓するチャレンジングで具体的な取組であり、個々の成果が大きな意義を持つことになるでしょう。
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