■学長くんガチョーン. 岡部典孝さん
日本円のステーブルコインで先駆けるJPYCを経営するギラギラ感はありません。ゲームにはまっていたドロップ組。だからか~。青ヶ島が合うんですね。iUも青ヶ島を拠点にして特区を仕掛けたい。一緒に遊んでください。
◆JPYC
日本円ステーブルコインという分野で日本のトップを走っている会社。
ステーブルコインとは、1ポイント1円の価値を持つコインをブロックチェーンの上で実装しているもの。取引を自動化するのに便利。
他のプリペイドやPayPayとの違いはプログラムがしやすく、世界の規格に合わせて作っているのが大きな特徴。
日本だけでも企業間決済が年間1000兆円ほどある。それを少しでも効率化して周辺で儲ける。資金移動業というライセンスでやろうとしている。1000万円買ってもらったら、1000万円分の国債を持つことになる。日本国債の金利はすごく低いが、それもちょこちょこっと入ってくる。
テクノロジー・法律・会計など様々な分野が融合する総合格闘技みたいな領域。規制がいままで厳しく、発行が認められてなかったが、今年(2023年)の6月から法改正され、真の意味のステーブルコインをこれから発行できそう。
いままでも準備はしてきたが、先駆けて出そうと最先端を突っ走っている。
◆青ヶ島
昨年(2022年)から青ヶ島に移住。そこでイノベーションを起こすための島にしようという活動もしている。
イノベーションを起こすときに反対する人をどう説得するかが鍵だとおもっている。反対する人が少ないところ=人口の少ないところがイノベーションを起こしやすい。反対がなければ突き進むことができる。
青ヶ島は人口150人で独立した村。特区もいける。村長さんがOKだったらできる。役場も学校もある。一通りの産業がやろうとおもったらできる環境。そこがおもしろいと思って移住した。法律上規制で難しいことがあれば、そこでやればいい。
銀行のライセンスが必要になる可能性があるが、金融機関の申請は現状スタートアップではほぼ無理。なので、地方自治を絡めて協同組合の金融機関を作ったらどうだということを地元の人とやっている。
スターリンク・光回線もあるので、東京よりもネットが速い。
村の周りを使えば特区を通しやすい。そういう自由に実験できる実証実験エリアを設定しようとしている。
◆学校
大学時代はほぼ学校に行かなかった。ドロップアウトし途中で起業。いまの会社は3社目。起業の準備をする期間が大学生。
一橋大学の経済学部。1997年入学。当時インターネットが走りの時代。ネットゲームにハマった。いまでいうメタバースのような仮想世界と現実世界が融合するんじゃないかとおもっていた。ひたすらゲームに打ち込み、ゲームの内部経済研究などをした。最終的には自分でやろう、と起業。
大学に入ったことは役に立った。大きな教室で受ける授業は好きじゃなかったが、ゼミは印象に残っている。起業する人のためのゼミに申し込んだが、起業しているからという理由でTAを任された。いきなり教える側。結果的には大学の先生からも出資いただいた。すごくいい影響があった。
学生のビジネスプランコンテストにも出て、賞をいただいた。いいスタートがきれた。
大学での縁を活かしつつ、大学には行ってなかった。
◆次のチャレンジ
今年(2023年)の6月から新しいライセンスが取れるようになったので、それに挑戦。
ステーブルコインは世界で15兆円以上発行されている。その大手のサークルという会社からも出資を受けている。
JPYCを持っていたら、それをそのままUSDCという外国のステーブルコインを使えるお店でそのまま使える・逆にUSDCを持っている方が日本に来たらそのまま使えるというように世界のステーブルコインの規格を全部統一して、0.1%くらいの低い手数料で簡単決済ができる世界を実現するとイノベーションを起こしやすくなる。これが、最終的に実現したい世界。
新しいことを実現したくてもクレジットカードの審査が通らないなど、そういうことをやっているとみんながわかるビジネスしか立ち上がらなくなる。
しかし、ステーブルコインは不特定多数の誰でも使える。プログラムもしやすい。自由にエンジニアがいろんな機能を組み込める。
イノベーションを起こすためには欠かせない。それの規格を世界で統一することが大事。
規制という意味では国を巻き込まないといけない。日本は規制を先行している。ヨーロッパ・アメリカでもどういう規制にしたらいいか話し合われている。日本はいま一番いいポジションにいる。その先端を走っているのがJPYC。世界のためにがんばっている。
◆キミたちへのメッセージ
イノベーションを起こす人は国の宝・世界の宝。イノベーションを起こそうとすると邪魔をされるが、そういうときには、仲間とみんなで乗り越えていかなければいけない。
反対する人とも対話を継続していかないといけない。責任あるイノベーション。
コミュニケーションをしながら、最終的には絶対イノベーションを起こして勝つという気持ちを持ち続けて。
●iU | 学長 |
●京都大学防災研究所 | 特任教授 |
●一般社団法人CiP協議会 | 理事長 |
●一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム | 理事長 |
●一般財団法人デジタル政策財団 | 理事 |
●一般社団法人国際公共経済学会 | 会長 |
●一般社団法人デジタルリスク協会 | 理事長 |
●一般社団法人ソーシャルインパクト | 理事長 |
●一般社団法人超教育協会 | 専務理事 |
●CANVAS | 副理事長 |
●日本スタンフォード協会 | 理事 |
●日本ビジネスモデル学会 | 理事 |
●一般社団法人オープン&ビックデータ活用・地方創生推進機構 | 理事 |
●少年ナイフ | 特別顧問 |
●日本eスポーツ連合 | 特別顧問 |
●一般社団法人データ流通推進協議会 | 顧問 |
●一般財団法人大川ドリーム基金 | 評議員 |
●公益財団法人 子ども未来支援財団 | 評議員 |
●「安心ネットづくり」促進協議会 | 代表理事 |
●東京大学先端科学技術研究センター | 身体情報学分野アドバイザー |
●Superhuman Sports Committee | 発起人 |
●理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP) | コーディネーター |
●京丹後市 | 最高デジタル責任者 |
●活力ある地方を創る首長の会 | 特別顧問 |
●デジタル政策フォーラム | 発起人 |
●一般社団法人日本民間放送連盟 ネット・デジタル関連ビジネス研究プロジェクト | 座長 |
●融合研究所 | 主筆 |